過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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522:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 23:49:40.71 ID:+GBVeuHtP

 ニコはしばしカンナのメッセージカードを見つめていたが。

 やがて寂しそうに顔を振った。



ニコ「無理だよ、カンナ」



 ニコは弱々しく拳を握り締めた。



ニコ「私は8年以上、後悔しかしてこなかった。

    普通の女の子たちが笑ったり泣いたりしながら自分の心を作っている間、私はずっと一人で塞ぎ込んでいたんだ」


ニコ「私は友だちの作り方なんて知らない。人の気持ちを理解する方法も知らない。

    天ぷらアイスの作り方もわからないし、もうお母さんに素直に『ありがとう』と『ごめんなさい』も言えない。

    私は君みたいに怒ったり悩んだりすることができない」



 一つため息をつき、ニコは痛々しく微笑んだ。



ニコ「君が持っている多くのものを、私は持っていないんだ」


ニコ「人間として生きていくことなんて私には無理だよ。

    私は本来、ツクリモノの君よりも・・・。ずっと出来損ないの失敗作なんだ」


カンナ「『自分にはできないから他の人にやってもらおう』ってことか?」


ニコ「そうだ」



 ニコは手を広げ、開き直ったようにせせら笑った。



ニコ「私は自分の魂を犠牲にしたんだ! それくらいの願い、叶ってもいいじゃないか!」



 カンナはその様子を見て。

 怒り狂うわけでもなく、呆れたようにため息を1つついた。



カンナ「魔獣なんて生まれてくるわけだ」


ニコ「なんだ、どういう意味だ?」


カンナ「気にするな、これはどうでもいい話だ」



 カンナが指を鳴らすと、ダークオーブが黄緑色の輝きを放ち。

 悪魔の衣装へと変貌した。



カンナ「そして、ここからが肝心な話だ」



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