過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
1- 20
786:名無しNIPPER[saga]
2017/05/07(日) 14:52:06.76 ID:3Vtz01HgP

 ――


 見滝原に、出会いと別れの季節が廻って来た。

 桃色の花びらが風に舞って、最後の魔法少女の肩にくっつく。


 環 エニシは見滝原中学校の屋上の柵へ座っていた。

 エニシの足元には『ようこそ! 新1年生のみなさん!』と書かれた横断幕が吊るされている。



エニシ「巣立っていきますね。一人、また一人と」


カミオカンデ「少し心配していたよ。魔法少女がいなくなったら、この世界はめちゃめちゃになってしまうんじゃないかってね」



 エニシの隣には青い眼のインキュベーターが座っていた。

 陽が昇ってくる。

 見滝原中学校への新入生と、卒業生にとっての。

 新しい1年が始まる。



エニシ「杞憂でしたね。どうやら人間は、そんなに弱い生き物ではなかったようです」


エニシ「魔法少女がいなくても、代わりに頑張ってくれる人は、思ったよりもたくさんいました」



 エニシがぱらぱらと歴史の教科書をめくった。

 大まかな歴史の流れこそ変化はないが、過去の偉人たちの名前は、女性名から男性名へと次々に変わっていった。


 歴史が再編されていく。

 いや、元に戻っていく、と言った方が正しいのかもしれない。


 魔法少女による世界の改編は、思えば何度も何度も起こされてきたが。

 たぶんきっと、これが最後の改編になるのだろう。

 少なくともエニシはそう思いたかった。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
797Res/573.39 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice