10:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 19:56:49.06 ID:Pnjk1jYA0
「テレビに出してあげたいの?じゃあ出してあげるよ」
頭を下げ、涙を流していた俺には、全く意味が理解できなかった。
「え? テレビにって、凛がですか?」
「そう、凛さん。ちょうど新しく始まる番組にね、小さいけどコーナーがあって、その枠にクールビューティー、って感じなアイドルの子を出そうって思ってたんだけど、中々決まらなくてね。今の君の話を聞いてたら私ももう協力せずにはいられないさ」
あまりの驚きに頭が混乱する。
それでも何とか返答だけは使用と、思いつく限りに言葉を発する。
「いいんですか? まだまだ無名なのに」
「いいのいいの。よくよく考えたら凛さんがピッタリだ。うん、そうだ、そうしよう」
「えと、ちなみにどんなコーナーなんですか?」
ようやく話が理解できてきたので、詳しい話を聞く。
「ニュースを若いそうに伝えるニュースバラエティ、っていう感じの番組でね、その中に世間で起こったおかしなニュースをぶった切る! って感じのコーナーなんだよ。歯に衣着せぬ発言が出来るあの子にはぴったりじゃないか。この前私の番組に出てくれた時にもそう思ったんだ」
「なるほど。台本が用意されていないんですか?」
「もちろん! そこは凛さんの考えを言ってもらいたいな。年代的にもちょうどいいしね」
そういって彼は満足そうに腕を組み、笑っている。
「ディレクターさんが良いのであれば、是非お願いします!」
やった! やったぞ!と心の中でガッツポーズをする。
「やってくれるんだね? いやぁ嬉しいよ。番組が始まるのは後二ヶ月ほど先なんだけど、出演者の割り当てとかが間に合ってなくて、本当に助かるよ」
「こちらこそ、本当にありがとうございます!」
「それじゃあ、このあと少し時間あるかな? 番組の詳細とか、話したいこともあるしね」
「はい! 是非!」
即答でそう答えた。
こんなチャンスはない。
絶対にものにする。
そう心に誓った。
100Res/117.73 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。