35: ◆MOU5m1dgOuYK[saga]
2015/11/09(月) 21:58:18.52 ID:iRMz4Axs0
「はい、完璧です。多分」
「お、やっぱり君は優秀だねえ。それじゃ、さっそく君にプロデュースしてもらいたい子を紹介したいのだが……、あぁ、まだ来ていないようだね」
「あ、そうですか、何かしていたほうがいいですか?」
「いや、大丈夫だよ、その辺のソファに座って待っててくれ」
「はい、分かりまし、た」
語尾が切れたのも無理は無い。
部長がその辺と指差した周辺には、恐らくアイドルだと思われる女の子がいたのだから。
……無理だよなぁ。
俺とて伊達にコミュ障をやってきたわけではない。
こんな場面で話せるわけが無いだろう。
今日が始めての出勤だからか、なんかさっきから視線も感じるし。
でもここで頑張れないとこの先やっていけないだろうな。
そう思い、ソファに座ることにした。
「し、失礼します」
そう言ってソファに腰掛けると。
「あぁ、新しく入ったプロデューサーさん? よろしくね」
真っ先に眉が太めの女の子に話しかけられた。
しかし、やはりアイドルだな、と思えるほどに端正な顔立ちをしていた。
「え、あぁ、はい、そうです、こちらこそ、えと、はい」
我ながらどうしようもないダメっぷりだ。
もうこれ第一印象終わったじゃないか。
そう思った。
「おいおい、大丈夫かよ。そんなビクビクしてちゃこの先やっていけないぜ? 緊張するのは分かるけどさ。もっとしっかりしなよ」
めちゃ説教された。
が、変なやつだとは思われていないようだ。
「そうだね、うん、頑張るよ」
極力問題の無いであろう返答をする。
「さっすが奈緒、さっそく新人プロデューサーさんの心配? やっさしいなぁ。ふふ」
今声を上げたのは、誰だかは分からないが、橙色の髪の似合うこれまたかわいらしい女の子だった。
「ばっ! そんなんじゃねえよ! あたしはプロデューサーさんがこんな調子じゃ周りも困るかと思って説教してやったんだよ! ほ、ホントだぞ!」
「ふぅん、そうなんだぁ? どっちにしろ、奈緒は優しいねぇ〜」
何をしているんだ?
この2人は。
完全に置いてけぼりをくらっている俺に気付いたのか、その橙色の髪の子が声をかけてくる。
「あ、私は北条加蓮、こっちのツンデレが神谷奈緒ね。よろしくね」
「あ、うん、よろしくね」
「誰がツンデレだよ! おい!」
なるほど、こっちの太眉の子が神谷奈緒で、橙色の髪の子が北条加蓮か。
覚えよう。
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