41: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/10(火) 23:46:12.08 ID:hXnjM4nD0
会社を出て、駐車場へ行き、車に乗るまでの会話、無し。
完全に沈黙だ。
俺から離すのももちろん無理だし、凛の方も話しかけてこない。
そんな状態のまま車に乗る。
運転を始めてしまえば気にならないかもしれない。
ようやくこの重い空気から抜け出せる、と思った瞬間だ。
「それじゃあ、失礼します」
容赦なく助手席に座ってきた。
何の躊躇いも無くだ。
しかし、乗られてしまった以上は後ろに乗れ、とも言えず、やむなくそのまま運転することにした。
運転を始めるも、やはり沈黙。
車でラジオを聴いたりするタイプでもないので、何も流れていない。
そんな沈黙が数分続いた頃、凛の家の場所を知らないことに気がついた。
「あ、あのさ、なんとなく来ちゃったけど、家、知らないや」
「え? 家知らないのに運転してるの? どこ行くつもりだったの。ふふ」
「あ、いや、ごめん、ナビ入れるから住所教えてください」
ようやく沈黙から開放はされたものの、話す内容がこれじゃ駄目だ。
あれ、何で俺、沈黙が嫌になっているんだろう。
あれほど話すことが嫌だったのに。
今は沈黙の方が嫌に感じる。
住所を聞いて、正しい道で運転を始めると、結局はまた沈黙だった。
しかし意外にも、今度は意外と早く沈黙が破られた。
100Res/117.73 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。