50: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/17(火) 20:26:03.63 ID:24ZtkVrg0
「あ〜ぁ、あのクソオヤジが。なんで休みの日にまで出勤しなきゃ何ねーんだよクソ」
「まぁそういうなよ。書類片付けてないお前も悪いんだからさ」
「でもよ、俺は営業でバンバン仕事取って来てんだぜ? 忙しくて書類作業なんてやってらんねーよ。だいたいお前は事務しかしてねーだろ」
そんな話し声が聞こえた。
声の先を見ると、今年俺と同じく入社した3人のうちの2人だった。
島村卯月や本田未央といった、活動を始めて4ヶ月なのにすさまじい量の仕事をこなすアイドルのプロデューサーだ。
多分、俺と対照的に、人と話すことが上手いのだろう。
世渡り上手ともいえるか。
人と話すのが上手く、友達も出来やすい。
まさに外回りにもってこいの人材だ。
だがその分作業系は苦手なのだろう。
「ん? 誰かいるのか?」
その人が言った。
だが俺は答えない。
ここで、ハイ俺です。
と答える必要が無いことを、俺は既に知っている。
「あぁ、あんたか。なにやってんの?」
ほら見ろ。
どうせこういう奴は大抵自分より立場が低いと思ってる奴には積極的に関わっていくものだ。
俺の偏見かもしれないが。
だがここで無視をしても、めんどくさい事になりそうなので答えることにした。
「部長に頼まれた会議資料をまとめてたところです」
至極端的に、余分なことなど言わなくていい。
「へぇ、それ、急ぎなのか?」
俺が手っ取り早く話を終わらせようとしても無駄らしい。
「いえ、期限は先で、本来今日は来るはずじゃなかったんですけど、用があって来たついでに作業を進めて帰ろうとしてたところです」
ここでこういってしまったことが、やはり1番の間違いだったのであろう。
「へぇ、それならこれもやっといてよ。明日までなんだけど、俺じゃ間に合わねーからさー」
「え?」
何を言っているのだろうかと思った。
何で俺がこの人の書類を処理しなければならないんだ?
「いいじゃんいいじゃん。俺外回り頑張ってるから厳しいんだねー」
関係ないだろ。
そもそも俺だって外回りは頑張ってんだよ。
得意不得意があるだろ。
そう思った。
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