過去ログ - モバP「あの笑顔をもう一度」
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78: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/19(木) 23:07:07.83 ID:FeijHWiK0
今俺は、加蓮に会っている。

何をしているかというと、説教である。

いい大人が、女子高生に。

なぜなら、俺が社長にプロデュースを引き受けると伝えに行った時に加蓮とたまたま会い、そのまま連れ去られたからだ。

「だからぁ、プロデューサーさんが人と話すのが苦手なのは、自分の話し方が悪くて、それで失敗してきたトラウマなんでしょ?」

「いや、まぁ、そんな感じかな」

「だったら、そのトラウマを忘れてむしろ話し方を武器にすれば良いんだって」

「すまん、全く意味が分からない」

先ほどからこんな調子だ。

喫茶店に入るや否や、容赦なくオーダーを入れまくり、「もちろんおごりね、ふふっ」ときた。

幸い友人のいない俺はお金の使い道など無く、余っている訳だから断らなかったが。

それで、オーダー入れたかと思えば、俺のの短所を長所にしよう、という話になったのだ

「だからさぁ、プロデューサーさんの話し方っていうのは、思ったことをそのまま言って、相手の顔色とかも伺わないんでしょ?」

「元はそうだったな。今は少しはマシになったけど、元の話し方を抑えてるせいでやっぱり上手く話せないんだよな。頭も使うし」

「確かに顔色を伺わないのは直すべきだけど、話し方は本来のままでいいかも」

「んん? つまりどういう意味だ?」

「なんていうのかな、今のプロデューサーさんは自分を押さえ込んで無理をした結果、空回りしてるって感じだからさ」

「そうか、そんな風に見えるのか」

意外だ。

ここまで俺の事を見ているとは思わなかった。

心配でもしてくれていたのだろうか。

「だから、自分のやりたいようにアイドルを説明してみればいいんじゃないかな。失敗もするかもしれないけど、今までよりはマシになるかも」

「でも、そんなことしたら業界でも嫌われ者になるかもしれないぞ?」

学生時代の二の舞になるだけな様な気がするが。

「その時はその時なの。今は現状を変えるしかないでしょ? 違うの? 今のままでいいの?」

「いや、良くないけど……」

「じゃあやるの」

「でもそんな上手くいくかなぁ」

「いいからやるの!」

「うーん」

「プロデューサーさん?」

「ん?」

加蓮がニコニコしている。

だがその笑顔は明らかに喜びや楽しさからのものではないことがすぐに分かった。

凛にも同じ顔をされたことがあったからだ。

そして更にその経験上、ここで更に食い下がることは非常で危険であるということもすぐにわかった」

「やるの? やらないの?」

「いえ、喜んで頑張らせていただきます」

「わかればいいの」

そう言って加蓮は、本当の笑顔を見せた。


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