82: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/20(金) 21:56:07.89 ID:htc6S+ds0
「えと、今日から2人のプロデューサーになります。よろしく」
俺は二人に初めての挨拶をした。
顔を合わすことはあれど、話すことなど無かったのだ。
「そういえば部長が事情があってプロデューサーが代わるって言ってましたね! 島村卯月です! よろしくお願いします!」
「ほほぉー。こりゃまた堅物そうなのが来たねぇ〜。私は本田未央、よろしくっ!」
名前は知っている。
だが、どうやって話すのが正解なのか。
またおかしな話し方をして、第一印象が悪くなったら大変だ。
見たところ子の2人は明らかに俺や凛とは雰囲気が違う。
特にこの本田未央という子はクラスでも中心にいるタイプだろう。
しかし、そんなことを考えていると、前に加蓮に言われた言葉を思い出した。
自分を隠さずに、出来る限り自分は自分として接するということ。
今はまさにそれを実行するべき時だ。
加蓮とも約束をしたんだ。
きっと凄腕のプロデューサーになって、凛を人気者にして、ユニットを組むと。
だったら、新しい担当アイドル相手に怖気づいてなんかいられないだろう。
「そう、でも前のプロデューサーさん程の才能はないから、仕事とか減っちゃったらごめんな」
言えるじゃないか。
いつの間にこんなに普通に話せるようになっていたのだろうか。
凛や加蓮と話しているうちに、トラウマによって押さえ込んでいた自分というものを取り出せたのだろうか。
自分を覆い隠す殻を加蓮が破ってくれたのだ。
それも何年振りだろうか。
自分と似通わない人と、こんなに普通に話せたのは。
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