34:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 22:45:40.25 ID:6LZx9kqto
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「――ど、どこか、かくれるばしょ……」
そう言いながら、私の隠れる場所はいつも決まっていました。
毛虫さんが居ないのを確かめて、一直線に木をよじ登ります。
小学生の身体に木は大きくて、けれど持ち前の気力で果敢に挑んでいきます。
『もういいかーーいっ?』
「……もういいよーっ」
木の幹に腰掛けて、ようやく一息。
私はこの場所がとても好きでした。
私の生まれた地域では、見つかってもタッチされるまでアウトにはなりません。
後で知った所によれば、私がかくれんぼだと思っていたのは走り鬼と言うそうで。
木の上から、楽しそうに追い掛け回し回されるみんなを眺めるのが楽しくて。
『藍子ちゃん、みーっけ!』
「ふふー。おいついてみなさーいっ!」
登ってくる鬼さんと入れ替わるように地上へ飛び降りるのが難しくて。
タイミングを間違えて捕まってしまう事もよくありました。
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