過去ログ - やはり俺では青春学園ドラマは成立しない 2
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名無しNIPPER
2015/11/04(水) 15:27:37.14 ID:ez7sk1RJ0
いきなり陽乃の出鼻はくじかれ、予定では人が多くいる女物の服屋に行くはずが、男物の服屋に行くことになってしまった。
陽乃「買ってあげる服は貸しだから、今度別の形で私に返してね」
八幡「はい」
陽乃「……………………」
棒の返事に陽乃はごく小さなため息を吐く。
八幡を虐めるに当たって少なからず抵抗されることは予想していたが、引きこもりの面倒を見ることがこれ程苦痛だと思ってもいなかった。
まあ陽乃の母親や社交界で会う重鎮の相手に比べたら、こちらの相手は幾分マシだ。それにここで逃げでもしたら、学校で毎日八幡の相手ができている雪乃に舐められてしまう。
陽乃は気を引き締めなおして、笑顔の『仮面』を顔に貼り付ける。
陽乃「比企谷くん。今日は一応デートってことになってるからさ、わざとムード壊すようなことしないでね」
八幡「デートだったんですか。なら前もって言っといてくださいよ。なら――――」
陽乃「もしデートだって言ってたら、比企谷くんはなんとしても予定を作ってきてただろうね」
八幡「そんなことするわけないじゃないですか」
陽乃「だからさ。私に君の嘘は通用しないんだよ」
陽乃は体ごと顔を近づけ、八幡を圧迫する。そうすると八幡は小動物みたく怯えて目を逸らす。
ほら。とばかりに陽乃は気分を良くしてさらに顔を近づける。八幡は体を後ろにずり下げる。
他人を進んで拒絶する八幡と進んで干渉する陽乃とでは、相性は最悪。その上人心掌握術や人脈といった使える武器は陽乃の方が多い。八幡の嘘やノリの悪い態度も陽乃に通用しない。
これから時間を共有することでさらに陽乃は八幡について把握し、終いには些細な抵抗すらできなくなってしまうだろう。
どうあがいたところで八幡は陽乃の言いなりになるしかない。
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