過去ログ - 【咲-Saki-】「あなたへ」
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110:名無しNIPPER[saga]
2015/12/03(木) 21:08:29.67 ID:UkTRngQFo

「否定しないんだ。それとも幸せじゃない?」
「……何を、考えているんですか?」
「ううん、特に何も」
「……私は貴女を、手に掛けようとしました」
「私もだよ」
「不思議です。さっきまで錯乱していたのに、今は……」
「少しは落ち着いた?」
「はい、でもまだ……」
「私も。昨日の夜はああ言ったけど、お姉ちゃんの時も、和ちゃんの時も、大変だった」
「……」
「知ってる? 仲直りした後も大変なんだよ? 気を遣って、遣われて。ちょっとしたことで嫌われないかびくびくして……大切な人なのに、信頼できてないんじゃないかって自己嫌悪して。それが断続的に結構続くんだ。近くにいるから相手のせいに出来ずに、余計に自分を責めて……」
「今も、ですか?」
「うん、そうかな。いつもは気にしないけど、要所要所で時々。大好きだけど、怖いんだ」
「……私達も、そうなるんでしょうか?」
「どうだろう。親が離婚した、恋人に浮気されたなんて話はいくらでも聞くし、ただ私が根暗で悲観的なだけかもしれないから……」


 和ちゃんは何を考えているのか、じっと口を噤んでいる。
少しは立ち直ってくれただろうか。
それとも火に油を注いだだけだろうか。
正直自信はないけど、私だってもう大人だし、色々な

本を読んできた。
大丈夫、のはずだ。
起き上がって和ちゃんの顔を見たいけど、ほんのちょっとの刺激でも爆発してしまうんじゃないかと、ありもしない不安に駆られてしまう。



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