38:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 20:23:15.17 ID:iVNXE8Ov0
聞かないんだ。
大人じゃん。
でも、いっそ、無理やりにでも聞いて欲しい。
言えないから。
もう、言えないんだよね。
39:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 20:36:16.82 ID:iVNXE8Ov0
卯月:私、凛ちゃんに……好きだって言ってもらえて嬉しかった……いやだ……いやだよ……このまま、バイバイなんて……やだよお
ついこの間まで、私はこの『AI』には感情なんてないんだと思っていた。
それもそのはずで、彼女は人間じゃないんだから。
40:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 20:48:31.29 ID:iVNXE8Ov0
家って。卯月の家のことだろうか。
それを尋ねても、彼女から返信はなかった。
レッスン後、私は卯月の家に向かった。
現実にはいないんだ。
だから、彼女の言っているのは戯言。
41:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 20:56:31.83 ID:iVNXE8Ov0
島村家の玄関へ続く階段が目に入った。
私は携帯をポケットに忍ばせて、胸を抑えた。
喉が張り付いて、息がしずらい。
思わずせき込んだ。
家のライトに照らされ、人影が動いた。
42:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 21:01:04.19 ID:iVNXE8Ov0
「卯月です……」
私の一歩前まで近づいて、彼女は手を持ち上げた。
気づかなかったけれど、スマホを握っていた。
夜目に、画面が眩しく映る。
43:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 21:07:19.61 ID:iVNXE8Ov0
「30分くらい前に送られてきて……私、よく分からなくて」
眉根を寄せて、卯月は腕を下した。
「凛ちゃん、誰と……やり取りしていたんですか? これ、私……?」
44:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 21:09:48.07 ID:iVNXE8Ov0
どうせ、『AI』だから。
言ったってただの記録にしかならないから。
どうしてかな。
私のせいだね。
分かってたけど。
45:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 21:16:07.82 ID:iVNXE8Ov0
「ごめんっ」
私は、卯月の言葉を聞く勇気はなかった。
謝って、それで、
46:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 21:23:33.03 ID:iVNXE8Ov0
卯月から離れるなんて考えたくもない。
でも、自分が招いたことなんだ。
それで、卯月が安心できるなら。
「凛ちゃん……私と一緒にいたいんですよね? だったら……」
47:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 21:31:10.08 ID:iVNXE8Ov0
逃げたい。
走って、卯月の視界から消えたい。
足が動き出していた。
帰って、お風呂に入って、
あのアカウントを削除して、
48:うづりんssbot[saga]
2015/11/08(日) 21:43:03.82 ID:iVNXE8Ov0
「……じゃあ、この質問に答えられたら許してあげます」
今の顔を見られたくはなかった。
ただ、卯月が今どんな表情をしていたのか、
それが気になって、私は顔を上げた。
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