過去ログ - 兄「伝説の剣を引き抜きに来たら妹に先越された……」
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105:名無しNIPPER[saga]
2015/11/10(火) 10:39:13.41 ID:PFgiH+cl0

兄「朝だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ウォォォォォォォ

魔女「うるせえ!!」バチコーン

兄「あ、おはよう魔女。昨夜は眠れた?」ケロリ

魔女「ふん。キサマこそ、気がせいて眠れなかったのではないか?」

兄「んな遠足前の小学生じゃあるまいし。快眠、快食、快便で、もう出発準備はバッチリだよ」

魔女「そうかい。……なんだか妙な気分だな。キサマと出会ってまだ一週間ほどだというのに、何年も共に戦ってきた気がする」

兄「そんなもんだった? そういえば、カジノタウンの温泉で会ったのが最初だから、そんなもんなのか」フシギー

魔女「実はな、その前からキサマのことは遠目に観察しておった」

兄「えっ!?」

魔女「聖剣の勇者の仲間だと思っていたからな。あの頃は勇者の一行に加わる予定で、キサマに接触しようとしていた」

兄「そういえば、ちゃんと聞いてなかった気がする。魔女はどうして邪神軍と戦ってるんだ?」

魔女「復讐だ。ワシが魔王の娘、というのは以前に話しただろ?」

兄「……初耳なんですけど」

魔女「そうだったか? ともかく、父上をマシン王に殺され、一族も皆殺しにされた。ワシも無力ではなかったが、自分の身一つしか守れんでな。

 その時から修行を重ね、ずいぶんと体に無茶をさせたものだ。お陰でこんな子供のような姿になり、寿命もほとんど残っておらん」

兄「……マジで?」

魔女「それでもあと五十年は生きていられる。今日の戦いに勝てば、余生としては十分だ。

 後悔は……無いわけじゃないが、それでも家族を目の前で焼かれた怒りを風化させるよりもずっと良い。そう思っておる」

兄「な、なんか気軽に聞いていい内容じゃなかったな……」

魔女「なら、キサマも話してくれないか? なぜ『勇者』になりたがった?」

兄「あ〜……たいしたことないよ、本当。

 小さい頃から聖剣の勇者のおとぎ話が好きで、実際にその聖剣が実在するって聞いたから、引き抜きに挑戦しに行ったんだ。

 で、行列に並んでいるうちにトイレ行きたくなって、妹に列並んでもらって、戻ってきたら妹が勇者になってた」

魔女「想像以上にしょうもないな、勇者誕生秘話!」

兄「そのまま勢い任せで城を飛び出して、エルフ騎士さんと一緒に邪竜王と戦って。そこに現れた妹は、聖剣を使いこなしてて。

 まるでおとぎ話の勇者みたいで、正直ちょっと……かなり嫉妬したな。やっぱ俺、ダメな兄貴だ」ドヨーン

魔女「……あ」


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