過去ログ - 兄「伝説の剣を引き抜きに来たら妹に先越された……」
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138:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 14:17:01.38 ID:Hj2TBOOQ0

兄「あ、妹! やっと追いついたな!! よくも閉じ込めやがって!」

勇者「どうやって出たの? 封印はまだ解けてないハズだけど」

魔女「カッカッカ♪ 粒子一個ぶんの隙間が、文字通り付け入る隙となったな! 一度肉体を素粒子レベルに分解してクリスタルをすり抜け、

 外に出てから再構築してやったわ! ……ちょっと体重減ったやもしれんがな」

兄「俺たちを一纏めにしてたのが失策だったな。合体すればどってこたないのさ!」

魔女「魔法の制御は全部ワシがやったことだろうが! キサマは殴る・蹴る以外になんも出来んのか!?」

勇者「……デタラメな奴」

エルフ騎士「なあ、もしかして魔女殿ってもう、一人で邪神倒せるんじゃないか?」

兄「ダメだって、そんなの! 邪神を倒すのはお・れ!」

勇者「さっきと言ってること違わない!? あたしの手助けがしたいんだったら、もう何もしないで!」

兄「そうはいかん!! 聖剣と一体化して消えちまうなんて、お兄ちゃん聞いてないぞ!!」プンスカ

エルフ騎士「知ってたのか?」

魔女「魔剣士……マシン王が得意げに語っていきおったわ。忌々しい」

兄「しかも、なんか本体だかが邪神と戦って負けたそうだ。俺らに散々聖剣の正体がどーのこーの語った挙句、こっちと戦いもしないでポックリ逝きやがるし。

 正直、あんな奴の言うことなんて半信半疑だったけど――」

勇者「ソードクリスタル!!」ポワポワポワ

兄「何度も同じ手を喰らうか!!」シュッシュッシュッ

勇者(早っ!!)

兄「必殺のコークスクリュー!!」バチコーン

勇者(!!)グワッ

勇者「…………」ビリビリビリビリ

勇者「さっきは手を抜いてたっていうの?」

兄「そりゃお前、助けに来た相手にいきなり本気で殴りかかるほど、俺だって鬼じゃねえよ。一応、人並みの情緒はあるつもりだ。

 ……が、もう遠慮はいらねえな。むざむざ死にに行くっつうなら腕ずくにでも止めさせてもらうぜ」

勇者「それで兄さんは最初の目的通りに勇者になるっていうの? だから、聖剣はあたしにしか――」

兄「いらねえよ、そんなもん」アッケラカン

勇者「え?」

兄「邪神は倒す。が、聖剣なんていらねえ。つうか、お前を殺そうとする剣なんて許さねえ。ぶっ壊す」

勇者「……本気? これは、太古からこの世界を守護してきた聖遺物なのよ?

 今だって、歴代の聖剣になった勇者たちは、あたしに力を貸してくれてる。

 いつか、何百年か先に、またこの世界が危機に陥った時には、あたしもその中の一つになってその時代の勇者に力を貸す。

 聖剣はそうやって受け継がれていくの。ヒトの手には負えない、強大な災厄に対抗する唯一の希望として」

兄「ならよ、ヒトの手で厄災を退けられるなら……もう聖剣は必要ないってことになるよな?」

魔女「ワシに訊くな! ……まあ、かなり屁理屈めいてはいるが、そうなんじゃないか? キサマの好きにすればいいさ、勇者兄。

 エルフ騎士殿はどうする? この馬鹿げたケンカを止めるか?」ニヤリ

エルフ騎士「う〜ん……勇者殿を見殺しにするのは確かに私の主義には反するが……かといって聖剣がなくなったら邪神に勝てる保証も無くなるし。

 ……まあいいか。勝った方が正しいということで一つ」

兄「お、俺が言うのもなんだが、あんたも大概テキトーな女だなぁ……」

エルフ騎士「迷ったときは強いものに従うのも、私の騎士道だ」エッヘン

勇者「――……戦闘モードに移行」チャキッ


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