過去ログ - 愛梨「好きだらけ?」 
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2:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:25:50.03 ID:seSbdc9V0
罪悪感。

自室の古ぼけた学習机に置かれた合格通知を見る度、ちょっとした罪悪感に襲われる。
一次選考である書類審査は通過した。
しかし、その紙面に書かれている名前は、私の友人である十時愛梨のプロフィールである。
以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2015/11/06(金) 22:28:10.95 ID:x5e238e50
ほお…いいところに目を付けなさる…期待


4:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:29:29.91 ID:seSbdc9V0
この子を守らなきゃ。
春に大学で愛梨に初めて会った瞬間、そう思った。
同姓だけど。同い年だけど。
女子校という女の子の戦場を潜り抜けてきた私としては、見ただけで天然と養殖の区別はつく。
この子は本物だ。
以下略



5:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:30:21.25 ID:seSbdc9V0
「次の講義はどこでしたっけ?」

大学はとにかく広い。
キャンパスで迷い、道を忘れ、次の講義が何の科目かを忘れる。
愛梨にはそんなことがしょっちゅうであるから、私が近くに居る口実としては十分だった。
以下略



6:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:33:30.38 ID:seSbdc9V0
「テニスサークルから勧誘されましたっ!」

油断していた。
昼食時に飲み物を買いにいっている間の出来事である。
やはり男というのはハイエナかピラニアだ。
以下略



7:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:35:29.63 ID:seSbdc9V0
結論から言おう。
私個人では無力だ。
酔って足元のおぼつかない愛梨を支えながら、そう思った。

「愛梨、頑張って。もう少しであんたの家でしょ」
以下略



8:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:39:05.51 ID:seSbdc9V0
今後はどうしたものか。
帰り道の夜の街を歩きながら考える。
私個人が、愛梨の飲酒やら人づきあいやらを制限するのも、端から見れば過剰だろう。
先輩達から煙たがられるのは避けたい。
私が愛梨のそば居られなくなるような事態になったらそれこそ意味がない。
以下略



9:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:39:55.27 ID:seSbdc9V0
ふと、視界の上に明るみを感じて顔を上げる。
夜の街に光輝く看板。
そこに写るのは、今や知らない人はいないトップアイドル、高垣楓。
闇夜の中でも神秘的に、それでいて堂々と煌めく姿に、私は息を飲んだ。
こういうのをカリスマがあるというのだろうか。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/11/06(金) 22:41:56.82 ID:iJKIgCdk0
面白そう。期待してます。


11:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:42:06.10 ID:seSbdc9V0
アイドルになるためにはまず、プロダクションに所属しなければならない。
信頼できそうな大手で、他薦自薦問わないという、うってつけのプロダクションを見つけた。
一次選考として書類審査が必要であるが、書類作成は問題なかった。
個人情報である愛梨の電話番号や住所はアドレス帳に載っていた。
やはり今すぐにでもネット社会の恐ろしさを愛梨に説くべきか。
以下略



12:名無しNIPPER
2015/11/06(金) 22:43:05.74 ID:seSbdc9V0
そして後日、一次選考の合格通知が届いた。
当然の結果だ。
だって愛梨は可愛いのだから。
しかし、ここまで来て罪悪感に襲われる。

以下略



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