過去ログ - 「偽りだらけの魔王討伐、始めました」
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11:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:22:38.38 ID:kiKX5uP40
(通りに添って歩く)

(角を曲がって路地に入る。入り組んだ道は進むほどにうらぶれていく。物乞いとすれ違いざま硬貨を渡す。物乞いはこちらを見ない。記憶している道を進む)

(この都市は領主のために設えられた庭だ。城門から領主宅まで、そして東端の港まで繋がる大通りは、王都のそれと見紛うほどよく整備されている。だが、一本道を逸れれば、この有様。この都市の縮図)

(ただし、この国には、外貨を得られる産業はない。海に面した国だから漁は盛んだが、沖には海魔が出没する。漁獲高は上がらず、富は一方的に流出するだけ。国は損失を、国民からの搾取で埋めている)

(領主は交易で得られる富を一門で独占している。だが、この地方の人々の暮らしは、他の地方に比べて特別悪いわけではない。だから、この領主の富裕と栄華は交易の独占によるもの、ということになるが、それにしたって領主の金満ぶりは桁が違いすぎる……)

(前方に人影。外套のシルエットに見覚えが、声には聞き覚えがある)

外套=女「お待ちしておりました。……尾けられていますね」

「撒けるな?」

外套「すでに人払いの術は済んでいます」

「よし。……で、何故お前がここにいるのか、納得のいく説明はしてもらえるのだろうな」

(外套の女は笑ったようだった。顔の半ばまでを隠した覆いを後ろに払う)

(現れたのは金の髪、碧の瞳。尖った耳は恐ろしく長い。――人ではない特徴)

外套=侍従E(エルフ)「まさか旦那様をお一人で行かせるわけがないでしょう? 旦那様に死なれて、困るのは私達なのですから」


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