過去ログ - 「偽りだらけの魔王討伐、始めました」
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12:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:25:22.76 ID:kiKX5uP40
(侍従Eの先導で路地を進む。進路は東)

(侍従Eは一週間前から、この都市入りしていたらしい。今さら追い返すわけにもいかない。仕方なく、詳しい情報を聞く)

侍従E「近日中に、領主所有の例の超大型船が出航いたします。詳細な日程は不明ですが、明日にも出航できる状態です。おそらく『荷』を待っているものと」

「『荷』はいつこの都市に持ち込まれる?」

侍従E「ここ最近、不審な人間の出入りが確認されています。ただ、この数日は流入してくる人間が多すぎて、捕捉しきれておりません。ですが、国境西の森に複数の生体反応があります」

「勇者の到着に合わせて運ぶつもりか? となると、勇者を出航の宣伝材料にするつもりかもしれんな。領主の超大型船は有名だ。勇者が直々に称えたとなれば、領主の名声はいや増す」

侍従E「そんな危険な橋を渡るでしょうか。もし、『荷』の中身が露見すれば、その瞬間に全てを喪うのに」

「やるさ。やってもらわねば困る。奴を増長させて、油断を誘うために、今まで奴には何の手出しもしてこなかったのだから」

侍従E「……十年です。あれから十年、自棄に走りそうな心を抑え、耐えに耐えて、――やっと、この時が来たのですね」

「おかげで、こんなふざけた旅に同行する羽目になったがな」

侍従E「……」

(侍従Eはしばらく喋らなかった)


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