過去ログ - 「偽りだらけの魔王討伐、始めました」
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21:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:42:53.46 ID:kiKX5uP40
(剣を取り落として、違う、違うと呟く騎士。今のうちに虜囚をなんとかしよう)

「命乞いだ。俺はここで死ぬわけにはいかんからな。おい、俺の命以外ならなんでもいいぞ。望むなら、そこのいけ好かない男の首でも何でもくれてやる」

(首に加わる力が弱まる。虜囚の衰弱がひどい。自棄を起こして自爆的な行為に出ないとも限らない。さっさと落ち着かせよう)

「お前の仲間の墓前に勇者の首を捧げれば満足か。本当にそれで良いのか? お前が欲しい物は、もっと他にあるのではないか?」

虜囚エルフ「私が……欲しいもの……」

(勇者が俺を凝視している。どうでもいい)

「“元の暮らしを取り戻したい”、それがお前の望みだろう。死者を蘇らせることはできないが、誰にも侵されない平和な日々、安息な暮らし――それを、お前に約束する」

虜囚エルフ「……嘘。嘘よ。人間は汚い、悪魔……」

「俺を誰だと思っている。王国評議会議長代理、兼枢密府筆頭顧問だぞ。まあ今では、元、が付くがな」

(従者Eが外套の頭巾を下ろす。息を呑む音)

勇者「森の魔法……森の民。エルフの術か、あれは」

虜囚エルフ「どうして、同族が……誇り高いエルフが、人間に、協力を……?」

「目的のためだ。俺がお前に、お前の失ったものをくれてやる。だから証言しろ、お前の身に起こった全てを。とりあえずはこの賊共を捕縛、領主を捕らえて尋問。この俺を舐め腐って、この俺の眼前でふざけた商売をやったツケを払わせてやる」


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