過去ログ - 「偽りだらけの魔王討伐、始めました」
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24:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:45:02.30 ID:kiKX5uP40
勇者「……では、君はその異族たちを助けるために、こんなことをやってのけたんだね」

「なぜ俺がこいつらを助けてやらねばならん。何の得にもならんのに」

勇者「違うのかい? てっきり、君が義侠心に駆られて、異族を助けてあげようとしたのかと思ったのに」

「あいつらの偉そうな態度が気に食わんからだ。爺は自分が世界の中心で、何をしても許されるとでもいうようだったからぶっ殺した。爺の配下も曲者揃いだ、爺の右腕だったあの領主も、何かにつけて俺を見下してきやがるから、機会を窺っていた」

勇者「……」

「尻尾を掴むまでは手を出さないでいようと思ったが、これがなかなかしぶとい。おかげで手持ちの資金は尽きるし、足元を見たあの領主が俺に対抗する王族、貴族を陰で支援仕出して始末に負えん。全く、ろくなことはない」

(勇者はそれきり黙った。横から、噛み殺した笑い声。侍従Eが小さく笑っているようだった)

「いったん王都まで帰るぞ。王や取り巻きでは、こんな爆弾は処理できん。足りない頭で俺を国外追放にしようと考えるから、使者をよこして俺の帰還を乞う羽目になる。ふん、精々、大手を振って帰ってやるとしよう」

「……これでやっと、今まで掃除できなかった屑共を一掃できる。お前には俺の官房として、迅速に今回の法案を起草してもらう。しばらくは寝られないと思えよ? 王への脅迫に評議会工作、世論誘導と、これから忙しくなる」

(侍従Eは頷く)

「……あのエルフの様子はどうだ?」

侍従E「じきに回復いたします。エルフの自然治癒能力は高いですから」

「首輪と超大型船については?」

侍従E「領主は吐きませんでした。あれだけの拷問を受けて言わないということは、案外、本当に知らないのかも。業者に解析を依頼しておりますが、どちらも素材は現状、見当もつかないと。こちらのものではないかもしれません」

「賊共も、出処は知らんと喚いていたな……。領主への拷問はもういい、処刑前に舌噛み切って死なれるのも面倒だ。しかし、正体不明の、魔力の流れを封じる首輪と、魔を寄せ付けない船? またぞろ、頭の痛い話だ」

侍従E「ともあれ、この度はお疲れ様でした。帰って、一息つきましょう。……帰りましょう、私たちの家に」


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