過去ログ - 「偽りだらけの魔王討伐、始めました」
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7:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:19:39.30 ID:kiKX5uP40
柔らかな声=頭上「……起きて。起きて」

「ん……?」

女=法服=教団の神官「着いた、から。国境。……どうか、した?」

「いや、なんでもない。すぐ行く」

神官=幌から出る――顔が誰かと重なるが、誰だったろう。(発った日の夢、か)

(馬車から出る。開かれた巨大な城門、居並ぶ衛士の向こう、見晴るかす限りに人が詰めかけている)

(馬車でひと月、王都以来最大の都市――『国境の都』)

女・軽鎧・胸当てに紋章=騎士団団長「やっと起きたか馬鹿者。もう少しで馬車から蹴りだすところだぞ」

「まるで凱旋だな」

騎士「当然だろう、我々は魔王討伐の旅に赴くのだぞ? 見ろ、道にはみ出すほどの民の希望に満ちた眼差しを。皆、我々が、今度こそ地上から魔を滅ぼすことを願っている」

「……」

(入城する)

(道に整然と敷き詰められた石畳、調和の取れた美しい建物。この都市は豊かだ。交通の要衝、交易の中心地。この都市を通らないで、この国に出入りするものはない)

(手を振る勇者――この人々の熱狂ぶり。熱に浮かされた絶叫に、真横の馬車の車輪の音さえ聞こえない)

(前方に集団――歩み出た男の装束は集団の中で最も豪奢だった。国境地方一帯を治める領主はこの都市に拠点を構えていたはず――領主に違いない)


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