過去ログ - 「偽りだらけの魔王討伐、始めました」
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7:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:19:39.30 ID:kiKX5uP40
柔らかな声=頭上「……起きて。起きて」

「ん……?」

女=法服=教団の神官「着いた、から。国境。……どうか、した?」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:20:32.42 ID:kiKX5uP40
領主「ようこそ我が都市においでくださいました、勇者様」

中性的な声=勇者「はい、お久しぶりです、(…)殿。魔王討伐の神託に従い、この地にやって参りました。どうぞ、お力をお貸し下さい」

領主「もちろんでございます。さあさ、どうぞこちらに。長旅でお疲れでしょう、ひとまずごゆるりとお身体をお休めなさるといい。祝宴の準備も整っておりますゆえ」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:21:38.29 ID:kiKX5uP40
――領主私邸=都市西端――

勇者「さあ、横になって。どこか痛いところはない? 欲しいものは? ああ、飲み物がいるかな、待ってて、すぐに用意させるから」

神官「え……ぅ……」
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:22:04.20 ID:kiKX5uP40
(騎士が腰の剣に触れる。勇者が何事か言おうとして、神官が起き上がるのに気付く)

勇者「大丈夫だよ、心配しなくてもいい。少し揉めているだけだから――」

(神官がこちらを見る。ただでさえ白い顔が蒼白だった)
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:22:38.38 ID:kiKX5uP40
(通りに添って歩く)

(角を曲がって路地に入る。入り組んだ道は進むほどにうらぶれていく。物乞いとすれ違いざま硬貨を渡す。物乞いはこちらを見ない。記憶している道を進む)

(この都市は領主のために設えられた庭だ。城門から領主宅まで、そして東端の港まで繋がる大通りは、王都のそれと見紛うほどよく整備されている。だが、一本道を逸れれば、この有様。この都市の縮図)
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:25:22.76 ID:kiKX5uP40
(侍従Eの先導で路地を進む。進路は東)

(侍従Eは一週間前から、この都市入りしていたらしい。今さら追い返すわけにもいかない。仕方なく、詳しい情報を聞く)

侍従E「近日中に、領主所有の例の超大型船が出航いたします。詳細な日程は不明ですが、明日にも出航できる状態です。おそらく『荷』を待っているものと」
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:26:01.02 ID:kiKX5uP40
(視界がひらける。空の青に対を成す青海を飲み込むような巨大な港。この国の海路の最大拠点。この都市の――領主の富の源)

(居並ぶ建物のうち、侍従Eの示した一つに入る。目当ての人間は現場に出ているらしかった。波止場に向かう)

(小舟を連ねた一角。そのうちの一艘で積み荷を運ぶ男――懇意の商会の主。自ら現場に出るのは、本人の気質によるものだという)
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:26:55.09 ID:kiKX5uP40
――領主居館――

(侍従Eとは港で別れ、居館に戻る。広い玄関に這入ると、男の一団と鉢合わせた)

男=上質な衣装=領主(?)「おや、いったい何処においででしたかな。神官様の具合はいかがかと、これよりお見舞い申し上げようと思っていたのですが」
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:27:23.03 ID:kiKX5uP40
(領主がこちらを見る。周囲の男たちが一気に緊張する。懐に手をやるもの、手を腰の後ろに隠すもの。合図に即応できる態勢に入っている)

(領主の落ち窪んだ眼が俺を観察している)

「今までは不運にも、こうして近しくお話する機会がございませんでしたが、領主殿と祖父は親しい間柄だったのですよね? 領主殿さえよろしければ、是非、祖父の存命中のお話をお聞かせ下さいませんか」
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:27:52.41 ID:kiKX5uP40
――領主居館・裏口――

騎士「待て、貴様、宴に出ないとはどういうことだ!」

「静かにしろ。俺達がこんな所にいることがバレたら面倒なことになる」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:28:57.19 ID:kiKX5uP40
(外に出る。領主邸宅は城壁にほど近い。すぐに城壁に辿り着き、そのまま城壁を抜ける。行く手広がる森。その前に人影、こちらの姿を認めると一礼する)

外套=侍従E「準備は完了しています。が、森に潜む者たちが、こちらに気づきました」

「奴らの使う予定だった門を使ったのだから、当然だな。――やれ」
以下略



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