10:名無しNIPPER[sage]
2015/11/08(日) 22:56:49.18 ID:QAml1PvFo
雪美「着替え……持ってきた……」
杏「タオルも持ってきたぞ。お、なんだこの便利そうな道具は」
みく「ランタンとバーナーにゃ。暖は取れないけど水が簡単に暖められるにゃ」
晶葉「水はあるのか?」
杏「雨を溜めて、ろ過してる。たまにあたる」
晶葉「ガスコンロとかなかったのか」
みく「そんなのすぐにガスを使い果たしたにゃ」
晶葉「適当に物を燃やせばよかっただろう。そこにある書類とか」
杏「またアイドルやるときに困るでしょ」
晶葉「アイドル? ……ずいぶんと希望を持っているんだな」
雪美「体……拭く……」
晶葉「ああ、自分でやる。ありがとう」
杏「私達はここを根城にして、あまり遠くへは行かないようにしてたけど
他はどんな感じなの?」
晶葉「ひどいものだ。街角には死体が山積みにされて、道にも転がってる。
感染した人間が行き倒れたのか、健常者が物資の取り合いで殺しあったのかは
わからないがな。しかしよく生き延びていたな」
みく「それはこっちのセリフにゃ」
晶葉「運がよかったのだろう。だが、ここに来る途中で生きた感染者に接触してしまった。
おそらくあれで感染したのだろう」
雪美「なんで……?」
晶葉「死体かと思ったんだ。近くに鞄があったから漁ろうと思ってね」
みく「外は本当に地獄だね」
晶葉「治安もなにもない。どこぞの世紀末のように多少は元気な人間がいれば話は違うかもしれないが
いるのは死体と死にかけばかり。まさか生きている間に世界の終わりが見れるとはな」
杏「……ところでさ、晶葉何やってるの?」
晶葉「何って服を着ているんだ。せっかく着替えを用意してくれたのだから遠慮はしないぞ」
杏「一人で?」
晶葉「それは……あれ、なんで一人で着替えているんだ。私は」
みく「感染してたんじゃないの?」
晶葉「感染していたさ。さっきの様子を見ただろ。実際服は脱がせて貰ったし。
今はあの気だるさがほとんどないぞ。なぜだ……?」
雪美「……飴?」
杏「まさか」
晶葉「だが確かにここに来てからしたことは着替えとタオルで体を拭いたのと飴を食べたくらい」
みく「飴を舐めると病気が治る……? こんなことで?」
杏「いや、症状が一時的に改善しただけかもしれない。明日も様子を見よう。
でもこれ……」
みく「あんず病って本当に的を射たネーミングってことに……」
杏「複雑だなぁ……」
25Res/29.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。