過去ログ - 【ゆるゆり】BAR Funamiの日常
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/09(月) 00:38:20.42 ID:Ms5wpsxYo
綾乃「おいしい……!」

京子「あ、おいしいってよ。よかったねマスター」


結衣は少しだけ会釈をすると、中途半端に残ったキューブアイスも使ってしまおうと思い、次の分を作り始めた。興味ありげにしていたちなつの分だ。

さっきはちょっとぎこちなかったけど、京子のおかげでなんとか上手くいっている。だんだん落ち着きも取り戻せてきた。



しばし、グラスとカウンターが触れる音と、結衣の作業音だけが店内に響く静かな世界になった。雰囲気がいいといえばそうかもしれないが、普段割とやかましいこのお店にしては、多少の気まずさを孕む。


グラスの中身を揺らして遊びながら、京子がその沈黙を破った。


京子「どうして……泣いてたの?」

綾乃「え……」


「やっぱり泣いてたのか」と不思議そうにしている結衣に、「そうみたいなんですよ」とちなつが目を合わせて小さくうなずいた。


京子「私でよかったら、聞くよ」

綾乃「…………」


あかりは心配そうに二人を見ていたが、結衣とちなつは「やれやれ、またか」とでもいうように目を背けた。

このお店に新規のお客さんが来ると、京子はだいたいその客に絡んでいく。そして大抵のお客さんは京子を「変な人だ」と思ってしまい、二度目の来店は無くなる……それが日常だった。


この静かな空間で「絡むな」と注意するのもトゲが立つし、何よりここまで上手く行っているのは京子のおかげだったので、とりあえず皆京子たちを見守った。


しばらく静かにしていた綾乃は、もう一度グラスに口をつけると、ちょっと笑顔になって話した。


綾乃「いいんです……もう」

京子「いいって……?」

綾乃「どうにもならないことって、あるんだなぁって……本当は最初から、諦めはついてたんです」




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