過去ログ - 【ゆるゆり】BAR Funamiの日常
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45:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/09(月) 01:08:12.58 ID:Ms5wpsxYo
京子「うん、んー……」こくこく


京子「あっはははは! なにそれー!」


私は後をつけながら、電話口での京子さんの言葉に集中します。この会話の中に人名や地名などが出てきてくれたら儲けものです。それだけで重要な手がかりになります。

……しかし京子さんはずっと爆笑しているだけで、こちらが望むようなワードを全然出してきてくれません。


京子「うん。あーい。それじゃまたさー、今度飲もうよ!」

りせ「…………」


やはり友人関係の電話のようです。でも……それしかわかりません。

それどころか京子さんは、とんでもないことを言い出しました。


京子「はい、はーい……じゃあこれ聞いたら折り返し電話くださーい。失礼しまーす」

りせ「!?」


少しかがみながら移動していた私は、顔から地面につっこむくらい転びそうになりました。


留守電……!? 明らかに留守電にかけていました。

だとしたら途中で相手の言葉にうなずいたり、爆笑してたりしたのは何だったのでしょうか。意味がわかりません。


電話をしまった京子さんは、またもるんるんと歩き始めます。本当にわけのわからない人ですが、それもいずれ事実が判明していけばわかることかもしれません……全てはこの尾行にかかっているのです。


しかし、


「京子ー!」

京子「おっ……? お〜〜!!」ぶんぶん

りせ「??」


川原沿いから街道に出ると、一台の車が京子さんの隣に停まりました。

京子さんも嬉しそうに運転手らしき人と話しています。これまた友人なのでしょうか。


「今帰り? 乗ってけば?」

京子「マジで! 悪いね〜♪」

りせ(あっ……!)


京子さんは二言三言話し終えると、後部座席のドアをあけて車に乗り込んでしまいました。どうやらご友人に家まで乗せていってもらうようなのです。

これはまずい……がしかし、ここであの車を追えるような手段を私は持ち合わせていませんでした。この時間のここら一帯は車通りもまったく無く、もちろんタクシーなんて来ません。


しかも更にわけのわからないことに、車は私たちが歩いて来た方向……元のBAR Funami方面に走って行きました。せっかくここまで来たのに……じゃあ京子さんの家はいったいどっちの方角なんでしょうか。

予想していなかった方向に去っていく車を呆然と見ていると、私はうっかり車のナンバーを控えるのも忘れていました。車の色と形は記憶しているけれど……どこにでもありふれた軽自動車だったため、決定的な判断材料にはなり得なそうです。


収穫、ゼロ……二日続けてこれは心に来ます。明日はいったいどうすればいいのでしょうか……今だ何の手がかりも見つけられないとなると、明日も同じようなことになってしまいそうです。

しかしこんなところで諦めてはいけない。先生が戻ってくるまでになんとしてでも解決すると決めたのです。

私は落ち込む気持ちを奮い立たせながら、事務所に戻ってホワイトボードに今の現状と明日の予定をまとめました。


そこで出た結論は……尾行はすでにバレているということ。

私自身が何かミスをしたとも思えませんが、明らかにおかしい行動を取り続けている京子さんは間違いなくこっちの存在に気づいているでしょう。あれは彼女なりの撹乱作戦だと思います。


……こうなったら、もっと近くから京子さんを観察してみよう。明日はいよいよ、BAR Funamiの店内から探ってみることに決めました。



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