過去ログ - 【ゆるゆり】BAR Funamiの日常
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56:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/09(月) 01:21:54.60 ID:Ms5wpsxYo
奈々「そのときは、なんだ身辺調査くらいと気軽にやってみたんだが……松本同様、私も一回もうまくいかなかった。こいつは逃げの天才だ」

京子「いやぁ照れるね〜」にしし

奈々「本当に参ったよ……こっちは何の隙も見せてないはずなのに尾行を勘づかれ、毎日毎日見失い……ついにはヤケになって普通に話しかけ、すぐに仲良くなり、そのまま飲み友達に!……ってな具合だ」

りせ「…………」


奈々「その依頼は当然失敗した。だがそこで友達になってからというもの、お互いあまり詮索しないままに親交を深めて……たまに私と一緒に仕事をしたりもしてくれてなぁ」


奈々「だから言うなれば、こいつは松本の先輩みたいなものだな!」

りせ「…………!?」がーん

京子「よろしくねっ、後輩ちゃん!」


……とんでもない事実がどんどんと発覚していきます。

信じられないようなエピソードの数々ですが、同時にそれは私がここ何日も京子さんを追った中で生まれていった疑問を、納得させてくれるものでもありました。


奈々「依頼人の方には、私からも説明しておこう。松本は今回は運が悪すぎたんだ、な?」

京子「マスターと綾乃が私を探ってるってのもとっくに気づいてたからさー。でも君の尾行はなかなかセンスあったと思うよ?」

奈々「そういうことだ。まあいい経験になったんじゃないか? これで松本も私と同じ道を忠実に歩み始めているわけだな!」

りせ「…………」


二人は顔を見合わせて笑い、それじゃ、と京子さんはコートを翻して帰る支度を始めました。


京子「また今度一緒に飲もうよ! ここらで良いバーを見つけてさー……あ、もちろん助手ちゃんも一緒にね?」

奈々「そうだな。機会があったら連絡してくれ」


本当に友人の家を出て行くような感覚で、ほいじゃーねーと京子さんはドアを開けて出て行きました。

まだ夢を見させられているような感覚でしたが……起き上がって、コーヒーをすする先生に話しかけます。


―――先生、結局あの人は何者なんですか……?


奈々「んん、そうだなぁ……超偉い地位にありながら、下の者にまぎれて身をやつし……いいとこのお嬢さんでありながら、何者にも縛られず自由で……あまり金を持たなそうな雰囲気を出してるが、金持ちなんだろうなー実際」ずずっ

りせ「…………」


―――え、結局どういう人なんですか……?


奈々「んはは! だから私にもわからないんだよ。まあ、悪いやつじゃないことは確かだろう……それだけでいいじゃないか?」


……先生でさえもわからない人なら、私が何をしたってわかりっこないのでしょう。

まるで存在そのものが幻想であるかのような、不思議な人……そんな彼女に似合う言葉を見つけようとして、ふとあることを思い出しました。


あのとき京子さんが、ボヘミアン・ドリームを頼んだワケ……


りせ「…………」


ひよっこの私なんかには、本当に何もわからないけど……ほんのちょっとだけ、何かが納得できた気がしました。


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