過去ログ - 【ゆるゆり】BAR Funamiの日常
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/11/09(月) 00:36:23.13 ID:Ms5wpsxYo
結衣「い、いらっしゃいませ」
「…………」
結衣「本日はご来店ありがとうございます……ご、ご注文は何にいたしましょう?」
「…………」
結衣は緊張していた。新しいお客が来てほしいと願ってはいたものの、こうして実際に来るのは何日ぶりか。
失敗してはいけない、是非次も来てもらいたい、そのためにはどうすればいいのか……考えていたシミュレーションは全部どこかへ行ってしまい、ぎこちなくなってしまっている。
「……カクテル」
結衣「……え?」
「……カクテル、ください」
結衣「な、何にしましょう」
「え……だから、カクテル」
結衣(あっ……)
女性は顔を上げて再度カクテルを頼む。結衣はそこで初めて彼女を見、そして少し赤く腫れぼった目に気づいた。
一瞬息をのむ。が、怖気づいている場合じゃない。何のカクテルにするかを聞かなければ。
結衣「ショートカクテルとロングカクテルはどちらがよろしいですか?」
「へ……?」
結衣「ああ、あの、ショートカクテルって言うのは比較的アルコール度数が強くて……まあでもそれは使うお酒次第なんですけど……」あたふた
照明のおしゃれなバーで交わすやりとりとはとても思えない、ふわふわした会話になってしまっている。
お客さんはどう見ても、こういったお店に不慣れなようだった。自分が間違ったことを言っていないかと頬を赤らめ、肩を狭めて縮こまっている。
結衣もまたてんぱってしまって、余計な情報ばっかり出てきてしまい、落ち着いたやりとりができない。隣のあかりも心配そうに二人を見ている。
そんな会話を切るように割って入ってきたのは、少し大人しめにお客さんを観察していた京子だった。
京子「ねえマスター」
「?」
結衣(な、なんだよ……! ちょっかい出すなって言ってるだろ)ひそひそ
京子「違うよ、注文。おととい私に作ってくれたカクテル、覚えてる?」
結衣「えっ……?」
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