過去ログ - 【安達としまむら】みずいろはなび
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16: ◆FRtTimAs0A[saga]
2015/11/09(月) 22:05:06.95 ID:VG1tHPTM0
わたしが変なのはわかってる。
「なんといいましょう・・・その、いつもよりかわいいです」
だからこれ以上、おかしくしないで。
「な、なにっ・・・それぇ」
わたしをおかしくするのは、ヤチー。
「いえだからですね、いつもより照れ屋さんといいますか・・・とにかく、かわいいんです」
でも変わったのは、多分わたしのほう。
「かわいいかわいいって言われても・・・あぅ」
もう、だめ。くらくらして、視界がまるで望遠鏡越しみたいに狭まっていく。その真ん中でヤチーがニコニコしてこっちを見つめている。
おかしい。いつもみたいにふざけられない。ヤチーの一挙一動一言が、わたしの中に沈み込んではぱっぱっと花火を打ち上げる。珍しい、水色の花火だ。
派手な光は地味なわたしには強すぎて、目に焼き付いてくるしくなる。それでも目を離すことはできないのだった。
今までのわたしは、花火に背を向けていた。だからあんなことやこんなことができたし、されたって平気だった。かすかにこぼれ落ちた照り返しを見ていただけだった。
でもわたしは知ってしまった。その光の持つ、本当の輝きを。
気づいていたのは、わたしの知らないわたし。そのぼんやりした後ろ姿を、目の端に捉えた気がした。
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