過去ログ - 【安達としまむら】みずいろはなび
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8: ◆FRtTimAs0A[saga]
2015/11/09(月) 21:11:42.80 ID:VG1tHPTM0
「じゃあ、それってどんなの?」
「やってみせましょうか?」
やってみせる?恋をやってみせるってどういうこと?やれるものなの?
頭の中がパニック中でも、首はこくんと前に落ちた。
「ではでは」
女の子座りからハイハイをして、こっちに来る!来る?来て、何を!?
わたしの隣まで来ると、ストンと腰を落として、わたしにもたれかかるようにして座る。
肩にかかる重さが、心地良い。
「こんな感じでしょうか」
「え?」
考える。
考える、考える。
熟考5秒、ピカーンと豆電球、光る!熱い!
「ヤチー・・・こっちに『来い』じゃなくて、恋人の『恋』だよ」
「おや」
おやじゃない。だいたい文脈からして、ちょっと無理がある勘違いだと思う。
いやヤチーならあるいは?そう思っても、水色の瞳はどこまでも深く水色で、確かめる術はなかった。
「もう、全然違うよー?」
「そうでしたか、てっきりそばに来て欲しいのかと」
「別に、来て欲しくないわけじゃないよ?でも今きいたのは、『恋』についてのことで」
「なるほど、私の勘違いです。じゃあとりあえず、もとの場所にもどりますね」
よっこらせ、と立ち上がろうとするヤチーの袖口を掴んで、動きを止める。
こういう時のヤチーが意外と意地悪なことを、わたしは知ってる。
「別に・・・このままでも、いいから」
「ふむ・・・別にどっちでもいいわけですか」
「・・・このままで、いて」
「もう、しょーがないですねー、しょーさんたらー」
やれやれと言わんばかりの顔で再びわたしにもたれかかってくる。
この状況だけ見ればしょうがない子はヤチーのはずなのに、ずるい。お姉さんぶられてしまった。
首筋にかかるサラサラの髪が気持ちよくて、やっぱり、ずるい。
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