過去ログ - 唯「われなべ!」梓「とじぶた!」
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:10:45.14 ID:bw1SoqCW0
「…唯先輩は、」
わたしのジョッキはというと、3/4も減っていない。
「唯先輩は律先輩を独り占めしたいとは思わなかったんですか」
「…」
「…わたしはそうですけど」
沈黙。
TVはいつの間にか音楽番組に切り替わっていて、
今週のヒットチャートと並行して、20年前の今月と同じ週のベストヒットを紹介している。
唯先輩は右手を上げて店員さんを呼ぶと、生中のお代わりを頼んだ。
「てゆーか、唯先輩が律先輩のこと好きだなんてちっとも知りませんでした」
「あずにゃんはね」
生中が来るまで手持ち無沙汰な様子の唯先輩が、餃子残り三つのうちの一つを箸で掴み、酢醤油に浸さず口元に運んだ。
「態度に出しすぎ。あれじゃりっちゃん困るに決まってんじゃん」
「…」
残り二つのうちの一つを箸で掴み、わたしは酢醤油に浸してから口元に運ぶ。
「唯先輩のやり方じゃ、気持ちは伝わんないですよ。あの人、きっと唯先輩のこといい友達としか思ってませんよ? 知ってました? 律先輩って…」
「知ってるよ。りっちゃんは…」
「「ちょうニブい」」
生中がやってきた。
唯先輩がジョッキを右手で掴む。
わたしもまだビールのたくさん残ったジョッキを掴む。
意気投合したわたし達は、ガチン、とジョッキを鳴らし、今日2度目の乾杯をした。
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