過去ログ - 唯「われなべ!」梓「とじぶた!」
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34:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:29:12.31 ID:bw1SoqCW0
唯先輩はまっすぐ前を向いたままわたしの顔を見ようとしない。
クサい息を避けているのか。
それとも。

わたしは答えない。


風のない夜だった。
いや、朝だったのかな。
空の端は白く薄く輝きを帯び始め、
夜は明けようとしていた。
時々走っていく車のヘッドライトがわたし達を照らし、
踏みつけられた落ち葉が、パリパリと乾いた音を立てる。


ふたりの息は、まだクサい。


お互い鎧を脱いで幻想を捨てて、
ありのままを見せ合ったら、わたしたちはうまくやっていけるだろうか。

左手があったかい。
脂っこくてベトベトしてたって、唯先輩の手のひらのあったかかった。
高校時代、毎日抱きつかれたあの感覚を思い出した。
先輩があんな風に抱きつかなくなったのはいつからだっけ。



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