過去ログ - 唯「われなべ!」梓「とじぶた!」
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48:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:50:44.78 ID:bw1SoqCW0
「手を繋いでくれるひとがいるって、しあわせだね」

「・・・ですね」

「こんなときだから、余計にね」

「・・・ですね」

それから歩き出した唯先輩はわたしの方を見なかったし、
わたしも唯先輩を見なかった。
わたし達は一言もしゃべらずただ歩いた。

山の向こうから昇り始めた太陽がわたし達ふたりを照らし、
遠く、電車の走る音が街に響き、
通りを走る車がいくつか行き交い、
自転車がわたし達を追い越しても、

言葉を交わすことはなく、ただ歩き続けた。

世界が朝を迎えても、わたし達は手をつないだまま。

小さな足音と手のひらから伝わる体温だけが唯先輩だった。



おわり



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