11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 23:51:51.40 ID:fk92G9zco
なんでもない京子の笑顔を見ていると……胸がすうっと涼しくなっていった気がした。
そしてほぼ同時と言ってもいいくらいのタイミングで、今度は身体がものすごい熱を帯びだした。寝ている間に下がった体温を戻そうとする身体的な働きのせいか、それとも急激な安心感に包まれてのことなのか、氷水に飛び込みたいくらい自分の身体が熱い。
そうだ、さっきの光景は全て夢なのだ。あんな不気味な世界はあり得ない。
たらりと落ちる額の汗を手で拭い、大きくゆっくり深呼吸をした。
結衣「………はぁぁ……」
京子「どしたの?」
結衣「……いや、怖い夢見ちゃってさ……ははっ」
京子「それでそんな冷や汗かいてるのか!」
結衣「そうみたい……あー、あっつい」
眠る前からコップに注いであった麦茶を一気に喉に流し込む。時間がたったせいか少しぬるくなっていたが、それでも今の私をクールダウンさせるには充分なものだった。
京子はゲーム画面に目を戻しながら、何の気なしに尋ねてきた。
京子「怖い夢ってどんな夢だったの?」
結衣「…………」
起きたばかりということもあって、まだ記憶には夢の内容が強く残っていた。
しかしあの不気味さを言い表そうとしても、言葉でうまく説明できない。
自分が感じたあの恐怖をそのまま言ってみたって、本質の10%も伝わらない気がする。
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