12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 23:52:29.99 ID:fk92G9zco
結衣「えっと……」
一体私は何に恐怖していたのだろう?
夕焼け空が血の様に真っ赤だったこと? エアコンの電源が勝手に切れていたこと? 誰もいない風呂場でシャワーが流れ続けていたこと?
京子がいないのに、京子の靴が玄関にあったこと? 開いていなければおかしいはずの玄関の鍵が閉まっていたこと?
……京子が、ベランダから飛び降りたかもしれないと……その可能性が少しでもあって、それを“私ではない私”が確認しようとしてしまったこと?
結衣「…………」
京子「気になるなー、教えて教えて♪」
結衣「きょ、京子が……」
京子が、いなかった。
京子「へ? 私がいない?」
結衣「京子のいない……世界だった」
京子「……それだけ?」
結衣「それだけじゃない、けど……ごめん、うまく言えない……」
京子「ふぅん……」
京子はあまり詮索することもなく、すぐにまたゲーム画面に意識を戻した。私は立ち上がり、汗にまみれた顔を洗うために洗面所に向かう。
風呂場に明かりはついておらず、もちろん何の音もしない。先ほどの夢の中のように、誰もいないのにシャワーだけが流れ続けているなんてことはなかった。
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