16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 23:55:19.51 ID:fk92G9zco
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気づけば私は……京子の家の目の前に到着していた。
ひどく乱れていたはずの呼吸は案外すぐに整った。しかし胸の内の不安な気持ちは一向に消えることはない。それでも私に立ち止まっている時間などなかった。
急いで歳納家のインターホンを押す。ぴんぽーんという曇りがかった電子音が寂しげに鳴った。そのままスピーカー部分をじっと見つめる。京子の間の抜けた返事が返ってくることを心から祈った。
……しかし、しばらく待ってみても何の反応も返ってこない。
諦めずにもう一度ボタンを押した。京子じゃなくてもいい、京子の親でもいい、誰か出てくれ。そう願ってみても、無機質なインターホンには一向に何の変化も起きない。
ぽちぽちとインターホンを押すたびに心にどんどん不安が流れ込んできて、とうとう私は……インターホンを押す勇気もなくなってしまった。
恐らく10分以上は押して待ってを繰り返しただろう、だが一向にこの家から音沙汰はしなかった。見上げた歳納家はいつもより不気味に大きく感じられ、静かな威圧感に気圧されて思わず逃げ出したくなった。
だが私は京子を探さないといけない。京子はこの家にいるかもしれない。キッと睨んだ窓の先、あの部分にある京子の部屋で、ベッドに突っ伏して寝ているのかもしれないのだ。
京子の部屋の窓を外から見ていると不思議と勇気が湧いてきた。意を決して今度は家の周囲に回り込む。
一階部分の窓という窓から中を確かめてみたが、京子どころか京子の親さえいないようだった。だが車が置いてあるのは確認できたため、それならこの家に誰かしらいてもおかしくはない。
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