27:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/11(水) 00:02:51.84 ID:BRoeWTnho
夢とは、いったいどうすれば覚めるのだろうか。
朝が来ること?
ベッドから起きること?
さっぱりと目を覚まして、現実の日常を再開すること?
……いや、そのどれでもない。
夢とは、その夢の記憶が完全になくなった時……初めて覚めたと言えるものなのだ。
誰しも夢が現実に影響を与えた経験はあるだろう。だがそれは単に睡眠を終了して活動を始めたことにより、夢が終わって現実に移ったのだと勘違いしているだけだ。
夢の出来事に囚われている限り、夢は終わらない。
夢の記憶が存在している限り、夢は終わらない。
私は最初の悪夢のことも、二度目の悪夢のこともしっかりと覚えている。
だからこれは夢なのだ。
どんなに現実感を伴っていたとしても……夢に違いないのだ。
結衣「京子……」
日もすっかり昇って、気温がじわじわと上昇している、よく晴れた夏の朝。
私は京子が使っていた枕を抱きしめて泣いていた。
確かに京子はここにいた。
ほんのついさっきまでここにいたんだ。
夏の気温に溶けていくその小さな温もりは、とうとう胸の中で薄れて消えてしまった。
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