30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/11(水) 00:04:50.46 ID:BRoeWTnho
結衣「ちなつちゃん……!」
ちなつ「えっ、なんで私の名前を!?」
結衣「……?」
ちなつちゃんは少し驚いて大きな目を丸くしながら、何やら意味深なことを言った。
「なんで私の名前を?」とは……どういうことなのだろうか。
結衣「ち、ちなつちゃん? どうしちゃったの……?」
ちなつ「え、えっと……うわ誰だろ、私にこんなかっこいい知り合いいたっけ……小学校で一緒だったとか? ううん違うこんなかっこよかったら覚えてるはずだもん……」
ちなつちゃんは私の問いかけをそっちのけで、自分の記憶の引き出しを忙しく探っていたようだった。
「私だよ、結衣だよ」……そう言おうとしたとき、ちなつちゃんは目をきらきらさせて私の手を取った。
ちなつ「もしかして、茶道部に入部希望の方ですか!?///」
結衣「……!」
ショックに大きく揺り動かされた。
目の前にいるちなつちゃんはどうやら……いつも私についていてくれた、私のよく知っているあのちなつちゃんではないようだった。
ちなつ「あの、実は茶道部って今人数がいなくて廃部になっちゃってるんですけど……でも人が集まれば復活できるかもなんです! よかったらお話しませんか?」
結衣「茶道部……」
ちなつ「はい! 私は茶道部再興のためにひそかに部員集めを頑張ってて……っとその前に、お名前をお伺いしてもよろしいですか? 私は一年の吉川です」
結衣「…………」
茶道部の扉を開いたちなつちゃんが笑顔でこちらを振り返る。
私は……溢れだす悲しみを一生懸命無視して、泣かずに答えた。
結衣「二年の、船見結衣だよ」
ちなつ「あ、やっぱり先輩でしたか……! ここの座布団でお待ちになってください。今すぐお茶を淹れますからね」
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