35:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/11(水) 00:07:32.55 ID:BRoeWTnho
結衣「京子はちなつちゃんが大好きだった。最初はその、好きなキャラクターに似てるっていう理由がきっかけかもしれないけど……もう今はそれだけじゃないよ。他でもないちなつちゃんのことが好きなんだと思う」
結衣「……私も、ちなつちゃんが好きだ」
ちなつ「!!」
誰かのことが好きだと……その本人に対して、面と向かって素直に言ったことが今までにあっただろうか。
これがこの世界のちなつちゃんではなく、私の知っている“本当のちなつちゃん”相手だったら……言えていたかどうかわからない。きっと恥ずかしくて言えないだろう。
夢の中だから言える。私の追い求める真実の世界には影響しないから言える……
結衣「私たち四人……色んな思い出を作ったね。とにかくいつも一緒にいて、いっぱい遊んで……きっとこれからもそんな日々が続くんだと思う」
ちなつ「…………」
結衣「う、うまく纏まらないけど……そういう世界が確かにあったんだ。私はその世界にいて……だから今の君をとても他人だとは思えなくて」
結衣「私にとってちなつちゃんは……かけがえのない大切な友達なんだよ」
ちなつ「……合格です」
結衣「……えっ?」
ちなつちゃんは小さくそう呟くと、おもむろに私をがばっと抱きしめた。
結衣「わっ、ち、ちなつちゃん!?」
ちなつ「結衣先輩……」
結衣「っ!!」
ちなつ「そうです……それでいいんですよ」
ちなつ「自分の見たもの、感じたもの、過ごした時間……それがある限り、目に映るすべては真実なんです。それを忘れないでください……」
結衣「ちなつちゃん……うそ……!!」
ちなつ「……京子先輩を探してあげてください。美味しいお茶を用意して、待ってますからね」
ちなつちゃんの可愛らしい笑顔を最後に……私の意識はすうっと遠のいていった。
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