37:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/11(水) 00:08:30.18 ID:BRoeWTnho
何やら驚いた表情をしていて、どうやら私がここにいることが綾乃にとって意外らしい……と思ったが、どうもそれとは別の要因があるようだった。
綾乃「ど、どうしたの……? そこ私の席……」
結衣「えっ……」
綾乃「ふ、船見さん……私に何か用でもあった? あ、あの……ごめんなさい、ちょっとびっくりしちゃって……」
結衣「…………」
綾乃の照れたような困ったような顔を見ていると……先ほどのちなつちゃんのことが思い出された。
結衣「ここ……京子の机じゃないの?」
綾乃「京子……さん? いや、そこは私の席だけど……」
結衣「……綾乃も……か……」
綾乃「えっ?」
察するに、ここも京子のいない世界。京子は最初から存在していないことになっていて、綾乃は京子のことを知らない……私が記憶している京子の席は、この世界では綾乃のものになっていた。
結衣「綾乃……よそよそしいな。なんか、懐かしい……」
綾乃「ふ、船見さん……?」
結衣「私は確かに綾乃と同じクラスだけど……でも京子を通じてよく接するようになったんだ。最初のうちはそれでもどこかぎこちなくて……気恥ずかしくてもどかしい距離があった……」
結衣「いつの間にかその距離はなくなっていったけど……でも、二人っきりになるとまだたまに、そんな感じにもなってたっけ」
綾乃「……? ……?」
綾乃はまったくわけがわからないとでもいうように首をかしげ、足元をもじもじさせて困っていた。そんな動きが可愛らしく思えて、私は立ち上がって綾乃のいる扉の方へ向かう。
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