6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 23:48:50.98 ID:fk92G9zco
浴室では音から察した通りシャワーの水が流れていた。しかしそのシャワーは誰の身体にかかるでもなく、ひたすら床に流れ続けていた。
つまり、誰もいない風呂場でシャワーだけが出続けていた。
結衣(……!?)
身体がぶるっと震えた。それは私の目の前で展開されているまったく意味不明な光景に対しての悪寒だった。不気味さのあまり声を失う。
シャワーを止め、一応浴槽の中に誰もいないことを確認する。いったい誰がシャワーを出したのか。私じゃないとなると京子しかいないのだが。
結衣「はっ……京子!?」
小走りで脱衣所を飛び出る。風呂場にいないのだとしたら京子は一体どこにいるのか? すぐにトイレのドアも開けて確認したがそこにも誰もいなかった。
京子は今この家にいないのか? だとしたらどこに行った?
お菓子でも買いにいったのか? 飲み物でも買いにいったのか?
お菓子も麦茶も完備してある環境からそれは考えにくかったが、そうであってほしいという思いが私の心に強く貼りつく。携帯電話も確認したが一件の通知も入っていなかった。
不穏な緊張が私の胸を刺激する。冷や汗が身体からどっと噴き出ている。さっきから心の警鐘が鳴りやまない。何か大変なことがおこっているぞという感覚がギリギリと私の心を痛めつける。
結衣(京子、早く帰ってこい……!)
私は不安で泣きそうになりながら玄関を睨んだ。
さっきこの家に来たときと同じであってくれ。うちの部屋の玄関の前で待機していてくれ。見えない扉の向こうで壁を背に立っている京子の姿を思い浮かべる。
そして、いやなものが目に入ってしまった。
結衣「……っっ!!?」
玄関に、京子の靴がある。
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