8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 23:50:00.45 ID:fk92G9zco
結衣(な……か、身体が勝手に……っ!!)
まるで、自分の視点が急に第三者のものに変わったかのようだった。
見ているのは間違いなく私の視界なのに、私はそれを制御できない。
身体がまったく言うことを聞いてくれない。勝手にずんずんとベランダの方へ歩いていってしまう。
結衣(こ、こわい……)
私はひどく恐怖していた。
勝手に歩かないでくれ、何も見せないでくれ。
しかし私の言うことを聞かない私は、赤すぎる夕日から視線を逸らさずに、そのままベランダに出てしまった。
私は……私が何をしようとしているのか……わかってしまった。
鳴りやまない心の警鐘が先ほどからずっと訴えていたこと。京子が一体どこにいるのか。京子は今どういう状態にあるのか。
トイレにもいない。風呂場にもいない。恐らくこの部屋に京子はいない。でも靴はある。鍵も閉まっている。外に出た形跡はない。
……そして、ベランダへの大窓が開いている。
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