過去ログ - 城ヶ崎美嘉「乙女心とラーメン屋」 -SS速報VIP

過去ログ - 城ヶ崎美嘉「乙女心とラーメン屋」

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4:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:19:45.29 ID:ZaPhbheT0
「ごめんごめん、プロデューサー」でも、ずっとそうさせているのは可哀想だから、助け舟とばかりにアタシは言う。「さすがに意地悪だった。ごめんね」

「……いや」プロデューサーは少し考えてから、アタシの言葉に首を振る。「確かに、俺の配慮が足らなかったよ。……でも、今は俺のジャケットくらいしかないから、それで我慢してくれ」

「えっ」

以下略

5:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:20:14.47 ID:ZaPhbheT0
でも、

「……うん。わかった。じゃあ、着させてもらうね」

アタシはプロデューサーのジャケットを受け取って、羽織る。思った通り、汗なんてまったく付いていない。でも、とても、温かい。

以下略

6:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:20:44.00 ID:ZaPhbheT0
「ど、どうした？　やっぱり、嫌だったか？」

プロデューサーの心配したような声が聞こえる。……真逆だよ、プロデューサー。

「……本当に、プロデューサーは乙女心をわかってないよね」

以下略

7:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:21:10.91 ID:ZaPhbheT0
「照れなくてもいいのにー」

そう言いながら、アタシはプロデューサーの隙だらけの背中に近付いて、ぎゅっとその手を掴む。

「あっ……美嘉、お前、何を」

以下略

8:名無しNIPPER[sage]
2015/11/12(木) 23:24:05.58 ID:R3z5+s060
今度は2人でか

9:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:25:17.06 ID:ZaPhbheT0

――

「ん、着いた着いた。ここだ、ここ」

以下略

10:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:25:46.00 ID:ZaPhbheT0
「……美嘉？」

その言葉にアタシはハッとして目を拭って、プロデューサーの方を向く。もういいや。プロデューサーがアタシをそういう目で見てないのなら、今まで以上にユウワクしてやるだけだ。でも、今日だけは、ここでやけ食いしてやるー！

「入ろう、プロデューサー」

以下略

11:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:26:39.38 ID:ZaPhbheT0

――

店の中に入ると、そこそこの数の人が居た。店の至るところに色んな貼り紙が貼ってある。『豚骨ラーメン600円』だとか『ラーメン一杯ご注文で替え玉かライス無料！』とか。他にも餃子とか、明太子ごはんとか。そういう貼り紙が貼ってあるのが物珍しくて、思わず、キョロキョロと店の中を見回してしまう。

以下略

12:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:27:06.92 ID:ZaPhbheT0
「何を頼めばいいの？」

「何を？　何を、か……」プロデューサーはうーんと考えて、言った。「初めてなら、とりあえず、ラーメンじゃないか？」

「普通の？」

以下略

13:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:27:37.66 ID:ZaPhbheT0
プロデューサーがそこまで言うのなら、本当においしいのかもしれない。ちょっと、こわいけど……。

「じゃあ、アタシもそうしようかな」

「餃子も付けるのか？」

以下略

14:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 23:28:08.98 ID:ZaPhbheT0

そうして食券を買って、席に着いて、お水を持ってきた店員さんに食券を渡した。プロデューサーは「あ、俺の分は麺をバリカタで、背脂多めで。こっちの分は普通でお願いします」と言っていた。バリカタ……？　とアタシが首を傾げていると、「まあ、かためってことだ」と答えてくれた。ラーメン用語的なもの、なのかな。……なんだか、別の世界みたい。アタシは思った。今まで入ったことがない、初めて見る世界。それがラーメン屋っていうのも変な話だけど……少なくとも、アタシにとってはそうだ。

それから少し待つと、ラーメンとライス、それから餃子が運ばれてきた。チャーシューとネギ、それから……これは、きくらげかな？　あと、海苔が上に乗っているラーメンだ。
色は『豚骨』って感じの色。うっすらと油が浮いていて、なんだか食欲がそそられる。

以下略

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