787: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:22:44.53 ID:iydpTm480
フードの侍「そんな人のための法に従って、それでいて幸せそうにしているこの町の人外のみんなを初めて見た時は、そりゃ歪に見えたさ」
フードの侍「でもここに住み始めて分かったよ。ああ、例え歪でも、ここは幸せだなって」
お祓い師「…………」
788: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:23:57.79 ID:iydpTm480
フードの侍「だからこそ私は顔と声を隠し続けたんだろうね。町のみんなは私の正体を知っているけれども、そういうのとは関係なくね」
フードの侍「生まれながらの人外じゃない、っていうのも理由なのかもしれないね」
フードの侍「いまの自分の運命を甘んじてい受け入れることができないんじゃないかな」
789: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:25:02.66 ID:iydpTm480
フードの侍「いま思い返せば、ここの他にもこういった場所はたくさんあったかもしれない……」
フードの侍「でも、ここが私にとっての初めてだから……。だから私はここを離れるのが名残惜しいんだと思う」
フードの侍「……あなた達とは違う私たちは、同じ目線に見られる事がとっても幸せなんだよ」
790: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:26:22.42 ID:iydpTm480
フードの侍「……もう一度私がこの町を去ることを名残惜しいと言った理由を考えてみて」
フードの侍「彼女もきっと……」
お祓い師「…………」
791: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:29:08.86 ID:iydpTm480
お祓い師「…………」
お祓い師(世界が変わる、か……)
フードの侍「……ああ、そうだ。私からも餞別があるんだった」
792: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:30:56.32 ID:iydpTm480
フードの侍「神さまには申し訳ないけど、まあ餞別ならこのぐらいじゃないとね」
お祓い師「……はあ、お前なあ……。こう、安々とするもんじゃないぜ」
フードの侍「ん、肝に銘じておくよ」
793: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:31:28.78 ID:iydpTm480
*
794: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:32:48.39 ID:iydpTm480
狐神「……女将に夕食をもらったから、さっきよりは」
お祓い師「そうか……」
狐神「うむ……」
795: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:34:23.34 ID:iydpTm480
狐神「わしにとっては、あの一言がとても嬉しかった……」
狐神「生まれて初めて、対等に扱ってもらえたのじゃ」
狐神「それまでわしはずっと、崇め奉られる存在じゃった……。贅沢な話じゃが、わしはぬしら人間の上に立つことなどは望んでおらん」
796: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:37:02.25 ID:iydpTm480
お祓い師「そのことは、訂正しない……」
狐神「…………!」
狐神「そう、か……」
797: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:40:02.76 ID:iydpTm480
狐神「……じゃが、おぬしはわしを遠ざけようとしたではないか……!」
お祓い師「……その事で、お前に一つ確認をしなくちゃならない」
狐神「確認……?」
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