792: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:30:56.32 ID:iydpTm480
フードの侍「神さまには申し訳ないけど、まあ餞別ならこのぐらいじゃないとね」
お祓い師「……はあ、お前なあ……。こう、安々とするもんじゃないぜ」
フードの侍「ん、肝に銘じておくよ」
793: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:31:28.78 ID:iydpTm480
*
794: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:32:48.39 ID:iydpTm480
狐神「……女将に夕食をもらったから、さっきよりは」
お祓い師「そうか……」
狐神「うむ……」
795: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:34:23.34 ID:iydpTm480
狐神「わしにとっては、あの一言がとても嬉しかった……」
狐神「生まれて初めて、対等に扱ってもらえたのじゃ」
狐神「それまでわしはずっと、崇め奉られる存在じゃった……。贅沢な話じゃが、わしはぬしら人間の上に立つことなどは望んでおらん」
796: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:37:02.25 ID:iydpTm480
お祓い師「そのことは、訂正しない……」
狐神「…………!」
狐神「そう、か……」
797: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:40:02.76 ID:iydpTm480
狐神「……じゃが、おぬしはわしを遠ざけようとしたではないか……!」
お祓い師「……その事で、お前に一つ確認をしなくちゃならない」
狐神「確認……?」
798: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:43:36.91 ID:iydpTm480
お祓い師「……時が価値観へもたらす影響は絶大だ。一分間と一年間で見える景色は全く別物だ。そうだろう?」
狐神「……う、うむ……」
お祓い師「さっきも言ったよな?俺の寿命はあと四十か、もって五十年だろう。その五十年という月日をお前がどう体感するのかなんて想像もつかない」
799: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:46:07.96 ID:iydpTm480
狐神「せっかく、せっかく産まれたこの気持ちを……。どうか殺さないで欲しいのじゃ……」
お祓い師「…………」
狐神「わがままなのは分かっておる……。おぬしに命という一つの責任を押し付けようとしておる……」
800: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:49:34.57 ID:iydpTm480
お祓い師「だから、式神契約を使いこなせるようになんなくちゃ困るだろうが。俺が術を使う度にお前に死にかけられるのは勘弁して欲しい」
お祓い師「このままじゃまともに働けないだろうが」
狐神「お、ぬし……。それはつまり……」
801: ◆8F4j1XSZNk[saga]
2016/07/03(日) 21:51:25.18 ID:iydpTm480
お祓い師「…………」
お祓い師「……あのさ、少し俺の話をしてもいいか」
狐神「もちろんじゃ」
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