過去ログ - 屋上に昇って
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12:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:21:05.88 ID:0oXNO4iLo

「それにしても、部長遅いね? どこまで行ってるんだろう」

「部員が非協力的だから、拗ねてるんじゃないの」

「たっくん、だめじゃん」

 と高森は言った。

「そうだぞ、たっくん」

 と俺も虚空に向かって話しかけてごまかそうとしたが、高森は相手にしてくれなかった。
 むべなるかな。

「しっかし、まだ五月だってのに暑いねえ」

「まったくだ」

 ぼやいてから、ふたりそろって黙り込んだ。
 話題も尽きた。無駄話だっていつまでも出てきやしない。

 高森は落ち着かないように部室を歩きまわって、また窓を開けた。
 吹きこんだ風が日に焼けたカーテンをふくらませる。

 気だるい熱気と薄暗さのなか、午後のゆるやかな風は干したての布団みたいに気持ちいい。
 黙っていたら、居眠りしそうなくらいだった。




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