152:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:41:19.25 ID:uj/X8DPAo
それでも、彼女にとって俺は友達だったのだろう。
今になってそう思えるのは、なんとなくうれしい。
怒ってくれたことがうれしい。
153:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:42:09.66 ID:uj/X8DPAo
それだけのことだったのかと、ほっとしたみたいに。
「いや、うん、そんなわけで、こっちに来るときも連絡したかったんだけど、覚えてるかどうか、わかんなかったし」
154:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:42:37.70 ID:uj/X8DPAo
乗客の数は多いとは言えなかった。おかげで、小声なら話を続けられそうだった。
時間が時間だし、終点に近いから、無理もない。
「いつから俺だって気付いてたの?」
155:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:43:21.34 ID:uj/X8DPAo
「気付いてて、無視してたんですね?」
「……や。まさか本人だとは思わなかったし」
156:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:44:07.78 ID:uj/X8DPAo
駅を出て、るーと一緒に歩く。
こんなふうに歩いていると、不思議な気持ちになる。
前を向いているるーの横顔を歩きながら盗み見ていると、彼女はふっと視線を合わせてきて、「なんですか?」って顔をした。
157:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:44:56.15 ID:uj/X8DPAo
「それに、なんとなく、遠く感じて」
「遠く、って?」
158:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:45:35.36 ID:uj/X8DPAo
「……背、伸びましたね」
「そりゃ、まあ。るーだって伸びただろ」
159:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:47:18.74 ID:uj/X8DPAo
「どうして、こっちに来たんですか?」
俺は、答えに窮した。
窮して、
160:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:48:05.12 ID:uj/X8DPAo
「タクミくん、女の子慣れしました?」
「なこと、ないと思うけど」
161:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:48:45.91 ID:uj/X8DPAo
るーは戸惑ったような顔のまま、しばらく返事をしてくれなかった。
「どうした?」
162:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:49:24.88 ID:uj/X8DPAo
「とりあえずは、先輩後輩だな」
「タクミくんが先輩って、変な気分です」
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