過去ログ - 屋上に昇って
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209:名無しNIPPER[saga]
2015/11/28(土) 19:04:59.64 ID:e5/BPC6No



 で、やっと出てきた女子部員たちに、ひとり男が混じっていた。

「やあ」

 と嵯峨野先輩はにっこり笑って俺たちに向けて手を挙げた。

「どうも」と俺たちは頭をさげる。

「カラオケ行くんだって? 俺も一緒に行ってもいい?」
 
 恐れのない人だなあと俺は思ったが、まあ案外こんなもんなのかもしれない。
 自分が遠慮がちだからそう感じるだけなのかもしれない。

「だめです」

 と、それでも俺は断っておいた。高森が救いを見たような顔をする。

「え、駄目?」

「……や、べつにいいです」

 でも聞き返されると断りきれなかった。自分を悪者にしたくないタイプなのだ。
 高森は裏切られたような顔をしていた。

 よっぽど苦手らしい。

 とはいえ、どうやって断れというんだ、こんな言われ方をして。




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