過去ログ - 屋上に昇って
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253:名無しNIPPER[saga]
2015/12/05(土) 20:21:36.68 ID:ql/eIKo9o

 るーもそうだけど、高森の方も私服で会うとけっこう印象が違う。

 まあ、とはいえこんなふうに一緒に出掛けたのがはじめてってわけでもない。
 
 文芸部でカラオケに行こうとか、そういうときだって今までもあった。だから、初めて見たってわけじゃないんだけど。

 そういうことがあるたびに思うのが、ネトゲにすべてを捧げてるように見える高森が、意外とファッションなんかに気を遣う女の子なんだってことだ。
 
 髪型や服装ひとつとったって、ちゃんと見られることを意識してる。
 少なくとも(年頃の女の子ってことを考慮すれば、べつにおかしくはないけど)適当にひっつかんだ服を適当に着回してる感じではない。

「女の子らしさ」を殺さない程度のボーイッシュ、とでもいうような。

 そもそもの話、見てくれはそこそこかそれ以上、という奴なのだ。
 
 髪とか肌とか、自然な風にして、手入れされているような。

 前に一度、そういう感想が口をついて出てしまったときがあった。
「髪きれいだよな」なんて。思わず出てきた言葉だったけど、我ながらちょっとどうかと思う。

 高森は一瞬戸惑った顔をしてから、わざとらしくふふんと鼻を鳴らして、

「まあね、女の子だからね。ちょっとだけなら触ってもいいよ」

 なんて得意がっていた。たぶん照れてたんだと思う。
 ちなみに本当に触ろうとしたら逃げられた。

 俺は渡された紙袋のなかの熊をもういちど眺めてみる。
 変な顔。こういう変なものに惹かれるのは、やっぱり「るーらしい」のかもしれない。
 そこに、やっぱり少しだけ安心する。目の前にいるのは「女の子」だけど、「るー」だ。

 とにかく、私服姿の女の子を前にすると、ちょっと萎縮してしまう、というお話。




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