285:名無しNIPPER[saga]
2015/12/09(水) 23:15:38.18 ID:cEBHTxlko
◇
「蒔絵先輩、どうしたんでしょう……」
るーは心配そうに呟く。「さあ?」と俺は首を傾げた。
本当にわからなかった。一年間一緒にいて、こんなことは初めてだ。
何かがあったのは間違いないだろう。
彼女が泣いたのは、俺のせいなのかもしれない。
俺が部長に振った話題が、彼女の感情のどこかを揺さぶってしまったのかもしれない。
だとすれば……だとしても……。
俺はそれを知らないし、だから何も言う資格はない。
「ほっとけばすぐに治るさ」とゴローは言った。
少しだけ、ゴローのことが憎くなる。
俺の冷めた部分を指摘して否定するくせに、ゴローは時折、他人に対して俺以上に淡白だ。
「本当にそう思う?」と俺は試しに訊いてみた。彼は怯んだ様子もなく、
「そう思えないなら、おまえが心配してやれよ」と、やはり他人事のように言った。
何もかもが噛み合わないような気がした。
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