48:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:42:06.72 ID:0oXNO4iLo
「行ってくればいいじゃん」とすぐさま言ってから、ちょっと偉そうだったかな、と反省する。
「俺に気使うことないよ」
「そうかな」と静奈姉は曖昧に笑った。そうもいかないよ、と内心では思っているんだろう。
「いつも俺のせいで迷惑かけてるんだし、そこまで気使われたら、俺、申し訳なくてここにいられないよ」
静奈姉は少し戸惑った顔をしていたけど、やがて取り繕うように笑って、頷いた。
申し訳ない、だってさ。俺は自嘲する。ここにいる時点で、いまさらだ。わかってるのに。
「うん。じゃあ、明日、帰り遅くなるかも」
「了解」
その話が終わると、気まずい雰囲気はきっかけもなく徐々にほぐれていった。
俺と静奈姉は、ふたりで並んでテレビを見ながら、出ているタレントについてのゴシップめいたあれこれについて話した。
お互いが思っているだろうことについては、何も喋らなかった。これまでそうしてきたように。
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