57:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:10:00.31 ID:ZQjZY+y8o
「たしかに。なるほど。言い得て妙。セーブポイントからやり直しってわけにはいかないさな」
しきりにうんうん頷きはじめる。変なところでひっかかる奴だ。
それ以降急にゴローが黙り込んでしまったので、なんだろうと思って、俺は奴の顔をしばらく眺めていた。
ゴローとも、なんだかんだで一年以上の付き合いになるのだと思うと不思議な感じがする。
はじめは、部活が一緒ってだけの付き合いだった。クラスだって違うし、話したこともなかった。
べつに性格が合わないってわけでもないけど、ゴローは積極的に誰かと話すタイプじゃなかったし、俺もそうだ。
それでも一応、少人数の部活で長い時間一緒にいるとなれば、よくも悪くも距離は近くなるわけで、
気付いたころには、けっこう仲良くなってた。
「……は。ため息も出ねえな」
なんて、不意にゴローは言って、はー、とため息をついた。
出てるじゃねえか、と思ったけど口には出さなかった。
どうでもいい。
「どうしたんだよ」
尋ねると、眼鏡の向こうの二対の瞳が、くるりと動いてこちらを見た。
ちょっとどきりとする。
「どうかしたのはおまえの方じゃないか?」
「え?」
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